不況時代の到来
バブルが崩壊してもう10年以上経ちます。しかし、いっこうに日本の経済は良くなりません。政府は、基本的に財政出動と金融緩和で、景気対策を行ってきました。その結果、95、96年は、それなりの需要も沸いて、年率3%強の経済成長を遂げましたが、昨年12月に発表された01年度7〜9月期のGDPは前年比実質マイナス0.5%と4〜6月期に続き2四半期連続のマイナス成長となり、昨年に引き続き日本経済は今年もマイナス成長になると予想され、全体的に見ると回復傾向は見られず、財政出動と金融緩和策も景気回復の特効薬にはなりえない時代になったと言えます。また、多くの企業や工場が海外に拠点を移し、産業の空洞化も深刻化し、完全失業率も5.5%を記録するなど、かつてない不況の時代に突入した感があります。
構造改革の積極的推進を
この不況を乗り切るためにはどうすればいいのか、今後の日本をどうすればよいのか。
それには、やはり構造改革しかないと思います。現在の行政構造、財政構造、産業構造などは、戦後50年以上経っても基本は変わらず、かなりの制度疲労を起こしております。縦割り行政や中央集権による支出構造の非効率性、官僚の腐敗等、様々な膿が出てきており、国際化、情報化、少子高齢化、住民ニーズの多様化等大きく変化する現代の社会構造に対し、迅速かつ的確に対応出来なくなってきています。
日本以外の先進諸国においては、新しい時代に対応するための構造改革を20世紀の後半の10年間で実行し終わっています。特にアメリカに至っては、20年以上前に手掛けております。
我が国においても、この構造改革の議論は、もう60年代の池田内閣時代からありましたが、かつてない好景気に恵まれ、この議論も棚上げされて参りました。また、バブル崩壊後も構造改革より景気回復優先ということもあり、なかなか前に進みませんでした。しかし、国民の中には依然改革を求める声は大きく、昨年4月に「構造改革なくして景気回復はなし」をスローガンに掲げた小泉政権が誕生したことは、支持率の面から見ても、構造改革の推進に対する国民の期待は大きいものと考えます。
小泉総理大臣は、昨年六月に「骨太の方針」で方向性を示し、「七つの改革プログラム」に沿って改革を進めていていくと言っております。現在、度重なる事件による株価の大幅下落や実業率の増加等により、この小泉改革に対し、批判の声が上がってきておりますが、妥協をせずに邁進して頂きたいと存じます。
中央集権から地方主権へ
さて、特に私が考える最大の行政構造改革は、「地方分権の推進」、つまり「中央集権」から「地方主権」の時代にすることであります。
現在の地方自治は、「3割自治」と呼ばれるように、歳出おける自主財源の割合が3割でほとんどを地方交付税交付金や国庫補助金等で賄っているのが現状です。一昨年の4月に地方分権一括法が施行されましたが、都市計画法等一部の国の権限が移転されただけであって、税財源の移譲や自治体の税財源確保策はほとんど盛り込まれませんでした。
確かに成長期においては、均衡ある国土づくりために、税金の再分配を行う地方交付税交付金制度は、非常に重要でありました。しかし、ある程度の生活水準が確保されている現在、税収のあがらない地方に税収のある都市部からお金を回す交付金制度は、その均一化による効果より無駄の方が大きくなっているのが現状です。税収があがらないということは、言い換えれば人があまり住んでいないということであり、そこに無駄な投資をするより、人のたくさん住んでいる都市部にインフラ投資をした方がはるかに効率的であり、経済全体に与える効果もより大きいものと考えます。
更に地方分権のメリットを考えますと、財源が基本的に自治体のものとなるので、自由に予算を使え、国からの介入もなくなります。これによって、自治体の自立意識も高まり、個性ある自治体ができ、さらに競争によって地方政治が活性化すると考えられます。また、自治体が市民の身近にあるため、税金の明確な使途が示しやすく、財源確保に対する市民の理解も集めやすくなり、財政の健全化への土壌ができます。その上、国の政策に縛られなくなる為、地方の財政を無視した政策に迎合せずに済み、不合理な計画はなくなると考えられます。この点につきましては、私が市議会議員になって特に気になったことで、国からの交付金、補助金というのは、地方自治体にとってあぶく銭みたいなものであり、コスト意識が非常に欠落し易いものなのです。
合併による行政基盤の強化を
このように地方分権を進めるメリットは、非常に大きいことがわかると思います。しかし、現在の都道府県レベルでは、地方分権が進んでもそれに対応する基盤が脆弱すぎます。そこで、「道州制」というものが考えられ、今後導入を積極的に検討すべきであります。また、それにあわせて、市町村も対応能力強化のために、合併を進めていくべきであります。
現在、千葉市では、県の「合併結び付きパターン」に示されているように、四街道市との合併が取り沙汰されておりますが、こういった観点からも合併は避けては通れないものと考えます。また、財政上の優遇を中心とする特例措置を盛り込んだ「市町村の合併の特例に関する法律」が平成17年3月までと期限が区切られており、その点を踏まえても合併は喫緊課題であります。
確かに合併によって、一時的に財政負担が増しますが、それについては特例措置法で措置されます。中長期的な視野で見ますと合併したメリットの方が多いのです。
例えば、四街道市には現在、24名の市議会議員がいますが、千葉市に合併された場合の試算をしますと定員は4名になります。それに加えて四街道にも議会事務局がありますので、その人員も削減されると考えますと、それだけで最低でも年間2億円程度の経費を削減できます。
もう少し身近なメリットを考えますと、若葉区と四街道市は隣接しており、鷹の台やめいわなどは、御成台や若松台に食い込むような形になっており、生活圏は完全に同じです。しかし、道路が途中で狭くなっていたり、近くの学校に行けなかったりと不便な面が多いです。それが一体的に整備・管理されることよって、利便性が高まることが考えられます。このように合併のメリットは簡単に考えただけでも多いのです。
情報公開と説明責任が重要
合併は、もちろん市民の皆様のためであります。ですから、市民皆様方の意見を最大限に尊重し、今後議論を深めていかなければなりません。そのためには、更に情報開示と説明責任の強化をし、透明性の高い行政にしていくことも併せて進めていかねばなりません。
21世紀は、「地方の時代」であるとよく言われます。私自身もそう思います。そして、現在の景気対策の最大の切り札となるのが、「地方分権」であると私は確信しております。今後、「道州制」をも視野に入れた「市町村合併の推進」に議論を深めるとともに、積極的に取り組んで参りたいと存じます。